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●夏輝の部屋にて・勇(ゆう)ゲーム中
 夏輝興奮してハガキを勇に見せる 

 

夏輝「ゆうちゃん!!みてみて!!これっ!!」

勇 「あ~!!揺するなバカっ夏輝!!ああっ!!死んだぁぁ!!死んだっ~!
    もう少しでクリア出来そうだったのに!!」

夏輝「あっ!ごめんね、ゆうちゃん」

勇    「もう!!なんだよっ!!」

夏輝「あっ!!ほら見て!!同窓会!!中学校のっ!同窓会のお知らせハガキ!!」

勇 「…同窓会?…へ~それで?」     


夏輝「もう~それでって…。ほら、○○中学!懐かしいよね~僕たちが初めて出会ったのも中学生 の時でしょう?

     あれから10年だよ!あっという間だね~。今もゆうちゃんと一緒にいられるなんて夢見たいだよ」

勇 「寝言は寝てから言えば。…気持ちわる」

夏輝「もう!何でそんな言い方するの?大切な想い出がいっぱいあるんだからね!」

勇 「中学生の頃の、大切な…想い出?」

夏輝「そうだよ!!ゆうちゃん、忘れちゃった??僕はしっかり覚えてるんだ!」

 

勇 「…へ~例えば?何を覚えてる?」

夏輝「ゆうちゃんは運動神経よくって、スポーツ大会とかいつも大活躍だったよね!

   体育祭のリレーはアンカーだったし!」

勇 「あ~。あんたはバトン落としてメソメソしてたね」

夏輝「林間学校の時の肝試し大会!!恐かったよねぇ~でもゆうちゃん、1人でどんどん歩いていくし」

勇 「あ~。あんたはお化け役なのにビビッてメソメソしてたね」

夏輝「あ、ほらっ!!音楽会で歌った民謡!!ゆうちゃん太鼓叩いたでしょう、法被と鉢巻がすごく似合っててかっこよかったなぁ!!」

勇 「あ~。あんたは笛を無くしてメソメソしてたね」

夏輝「もう!なんでそんな事ばかり言うのかなぁ」

勇 「どう考えたって、あんたにとって忘れたい子供時代じゃないの?」

夏輝「…僕は確かにどんくさいし、泣き虫だったし…でも!ゆうちゃんとの想い出だし。だから覚えていたいよ?」

勇 「あんたさ、みんなから何て呼ばれてたか知ってる?」


夏輝「【なつきちゃん】だよね、名前で呼ばれるのちょっと恥ずかしかったけど…」


勇 「…なんとも思わないの?それ」

夏輝「なんともって?」

勇 「メソメソ泣き虫、女みたいな【なつきちゃん】…あんたはさ…」

夏輝「泣き虫は本当の事だから、僕は気にしてなかったよ」

勇 「はぁ??女みたいなんて思われて…気にしないって」

夏輝「僕はね、泣き虫だったけど、それが女の子みたいだとは思わないよ?

   だって、ゆうちゃんは泣き虫なんかじゃなかったでしょう?女の子だけど」

勇 「…はい?あたしは、もともと女らしくなんかっ」

夏輝「僕はゆうちゃんと初めて会ったとき、こんなキラキラした可愛い子がいるのかってビックリしたよ」

勇 「キラキラ??可愛い??」

夏輝「うん!…ねぇ、ゆうちゃん。僕は女の子みたいにみえた?」

勇 「…あたしは…。あんたは頼りなくて…お節介で…無駄に優しくて」

夏輝「あはは。…それはさ、男らしくないって事?女の子みたいって事?」

勇 「…それは…」

夏輝「ゆうちゃんはさ、スポーツ万能で、決断力があってケンカも強くって、正直で
   いつも僕をまっすぐ見るんだ」

勇 「…男みたいじゃんそれ」

夏輝「ゆうちゃんはそう思っても、僕はね!こんな素敵な女の子いないと思った。

   僕は僕、ゆうちゃんはゆうちゃん。女らしいとか、男らしくないとかどうでもいい事なんだ」

    
(少し間をあけて)


勇 「…なんだよ…夏輝のくせに~むかつく~」

夏輝「(笑って)ねぇ…ゆうちゃん、同窓会、行くよね?」

勇 「まぁ…夏樹が行くならっ」

夏輝「うん!!すっごく楽しみだね!」
 

役決め表

・男:
・女:

あらすじ:正反対のようでよく似た二人、大好きな人

・松下勇 【♀】面倒見がいい、単純、口が悪い

・遠藤夏輝【♂】穏かだが意外に頑固、優しい

登場人物

​作者:yumi

大好きな人

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