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●自宅でのローズとマリーの会話 
 母・ローズ仕事中、手を止めてマリーへ声をかける
        

 

ローズ「マリー!誕生日会に招待するお友達は何人くらい?」

マリー「10人くらい!」

ローズ「もちろん、あのボーイフレンドもご招待ね」

マリー「もうママ!…それは考え中…よ」

ローズ「あらっ!どうして?素敵な男の子じゃない。ママに似て男を見る目があるのね~」

マリー「ママはすぐにからかうから…恥ずかしいの!」

ローズ「(笑って)もうそんな事しないから!たくさんお友達誘ってね
    あ、そうだ!プレゼントは何が欲しい??もう決めた?」

マリー「え~と…あのね、ママ。あの…まだ…考え中よ。(間をあけて)…ねぇ!ママ、パパも素敵な人だった?」

ローズ「パパ?…そうねぇ。優しくて、つい写真を撮りたくなるハンサムで…ロマンチストで。
    ちょっと服の趣味が変ってて…」(笑って)

マリー「ママはパパの事、大好きだった?」

ローズ「もちろんよ!だからあなたがここにいるわ!」

マリー「…なんで、ケンカしちゃったの??」

ローズ「気になる?…そうね、好きすぎちゃったのね」

マリー「好きすぎ?…あのね、もし、もしねっ!」

ローズ「ん?なあに?」

マリー「…あ…ううん、やっぱりなんでもないの」

 

マリーM『私が生まれる前にケンカ別れしてしまったパパとママ…。

     もうすぐ私の7歳の誕生日…もし【パパに会いたい】って言ったら
     ママはどんな顔するかしら?』

 

●夜・ジャズの流れるbarにてウッド登場
 barの扉を開け店内を確認するウッド、ローズを見つける 


ウッド「やぁ…久しぶり、遅くなってごめん」

ローズ「やっぱり遅刻。久しぶりね、先に飲んでたわよ」

ウッド「…まさか君から手紙が…驚いたよ」
         
ローズ「偶然見た雑誌にあたなが載ってて、私も驚いたわ。(思い出し笑い)服の趣味も昔のままみたいね、
変ってなくて安心した」

ウッド「それ、褒められてると思いたいね。…雑誌の取材なんてガラじゃないけど、受けて正解だったな」

ローズ「この街に戻っていたのね…知らなかったわ」

ウッド「2年くらい前かな…また会えて嬉しいよ」

ローズ「ねぇ、覚えてる?初めて会った時も、あなたは遅刻して…」

ウッド「もちろん覚えてる。あの日も雑誌の取材だった。俺みたいな無名の小説家に声がかかるなんて信じられなくて嬉しくて…眠れなかった、それで寝坊だ」

ローズ「慌てて来たあなたを見て私、バイトの学生だと勘違いしたのよね」

ウッド「そう、それで俺にカメラの機材を運ばせたんだ」

ローズ「まさか、小説家だと思わなくて…お詫びに服をプレゼントした」

ウッド「そのお陰であの写真は写りが良かった。…君はカメラマンを続けているの?」

ローズ「フリーになったわ、小さいけど事務所を持ってるの」

ウッド「凄いね、立派に夢を実現させている」

ローズ「あなただって小説家だわ、無名じゃない」

ウッド「いや、まだまだだよ。悩みながら書き続けている」

ローズ「でも、元気そうで安心したわ…」


ローズ「(少し間をあけて)それで、あの子も元気にしてる?」

ウッド「あの子?誰のこと?」

ローズ「あなたの浮気相手」

ウッド「っ?!まだそんな事を?あれは君の勘違いでっ」

ローズ「冗談よ!冗談!…つい、いってみたくなっただけ」

ウッド「そういうところも変らないね…いつも俺が振り回されてた」

ローズ「それはあなたが鈍感だからでしょう!私あの頃、散々嫌味いわれたわ」

ウッド「誰に?」

ローズ「あなたの事が大好きな「ファン」の女の子たち」

ウッド「俺に?ファン?聞いた事もないよ」

ローズ「あなたはみんなに優しいしから。勘違いする女の子は多かったの。

    もしかしたら私も。私だけが付き合ってるつもりなのかもって」

ウッド「バカな事を。あの頃…君意外に特別な人なんていなかった」

ローズ「そんなセリフだけはサラリと言えてしまうから、小説家ってイヤね」

ウッド「それをいうなら、君だっていろんな男と会ってた」

ローズ「えぇ?!それは仕事のクライアントでしょう??人聞き悪いっ」

ウッド「それだって疑おうと思えばいくらだって…」
      

●沈黙…そして二人で笑いあう。


ウッド「子供みたいに…すまない」

ローズ「忙しくて、すれ違いが多かったから、肝心な話ができなかったわね、私たち」

ウッド「もしかして、あれはヤキモチだった?」

ローズ「まったく、鈍くていやになっちゃう」

ウッド「ごめん、でも本当にやましい事は何もなかった」

ローズ「分かってる。余裕がなかったの私も…。あ、写真見てくれた?」

ウッド「ああ…これだね、手紙と一緒に送ってくれた。一緒に写ってるこの子は…娘?」

ローズ「そうよ、マリー…。可愛いでしょう私に似て、もうすぐ7歳よ」

ウッド「ああ、似てる…可愛いね。君は…結婚したんだね、おめでとう」

ローズ「…」(無言でウッドを見つめる)

ウッド「…なに?…」

ローズ「…気づかないの?…本当に?」 

ウッド「だから…なにが?」

ローズ「…はぁ(ため息)…マリーはあなたの娘でもあるのよ」

ウッド「(少し間をあけて)っ…は…えっ…ゴホっ」(上手く喋れずむせる)

ローズ「…大丈夫?」

ウッド「っ…なんっ…どうしてもっと早く連絡してくれなかったんだっ」

ローズ「あら、連絡したわよ私は!でもあなたはどこにもいなくて。

    探したけど…まさか別れてすぐ姿を消すなんて思わなかったし」

ウッド「あ…ああ、あの時は辛くて…距離を置きたいって君にいわれて
    ショックで…ただ1人になりたくて…この街を出たんだ」

ローズ「心配したわ…。なんて、私がいえるセリフじゃないわね、ごめんなさい」

ウッド「いや、本当に…俺は弱すぎたね、バカだまったく。
     
    君から送られてきた写真を見た時も…後悔したんだ。
  
    …いや、違う。もっと前からあの時逃げ出した事を…バカだろ?今更…」


(少し間をあけてください)


ローズ「お互い若かったってことね」

ウッド「ローズ…俺を許してもらえるだろうか?」

ローズ「そうね、お互い、じゅうぶん時間も距離も置いたしね」

ウッド「俺は、マリーに会わせてもらえるのかな?」

ローズ「もちろんよ。…来月の10日に会いに来て」

ウッド「ああ、ありがとう。必ず行くよ、楽しみだ…。でも、その日に何かあるの?」

ローズ「ええ。…マリーの誕生日よ」

 

●ラストです


マリーM『私の願いはもうすぐかなう。

       初めまして、パパ。 …ありがとう、ママ!』

役決め表

・ローズ:
・マリー:
・ウッド:

​あらすじ:もうすぐマリーの誕生日。欲しいプレゼントとは?

・ローズ【♀】フリーのカメラマン 笑い上戸

・マリー(6)【♀】明るく利発 ローズの娘

・ウッド【♂】真面目で優しい、小説家

登場人物

​作者:yumi

​プレゼント

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