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母の息子

​作者:oko

登場人物

あらすじ:男であること、女であること、それはささいなことなんです。


息子 「はぁ…」

母 「………」

息子  「はぁああ…(より深いため息)」

母 ……「もぅ」

息子  「はぁああああああ!(被せて)」

母 「はぁああああ??」

息子 「なに?どうしたの」

母 「それはこっちが聞きたいわよ。あんたどうしたの」

 

息子 「いやぁ、なんかこう…光線てかビームみたいの出したいなぁって」

 

 

母 「ああ」

息子 「うん」

【間】

母 「はぁ…」

息子 「………」

母 「はぁああ…(より深いため息」

息子 「そういえばさ」

母 「なに」

息子 「さっきなに言おうとしてたの」

母 「さっきって?」

息子 「僕がビームだす前」

母 「ああ」

息子 「なに?」

母  「…もうそろそろ夕飯にしようかって」

息子 「じゃあうどん」

母 「ほんと好きね」

息子 「僕、かあさんの料理ん中で一番うどんが好き」

母 「ありがと、ただお友達に自慢するのやめて頂戴」

息子 「美味しいのに」

母 「世間様はうちに偏見もってんの、手間暇かけて作ってるのにね」

息子 「ふみふみするの楽しいよね」

母 「そうよ、うちはうどんを粉からこねて作ってやってるんだから。簡単な料理じゃないわよまったく」

息子 「うん!かあさんのうどんはだからすき!」

母 「…あんたなんか悩んでるんでしょ」

息子 「……そんなことないもん」

母 「またそうやって…お父さんもおんなじだった。嘘つくときはいつも声うわずくちびる噛んでた」

息子「 ……」

母 「学校で何かあった」

息子 「…たかし君がね、うどん好きって言ったらお前は今、父親しかいないから粗末なものしか食べてないんだなって。そんなことないよって言ったけど聞いてくれなかったの」

母 「……」

息子 「もやもやしたんだ、だからビームだしたら変わるかなっておもった!」

母  「お前は…不思議な子ね。お父さんがお母さんの真似して家でてっちゃったときも大はしゃぎして結局今もお母さんやってるんだけど」

息子 「お母さんよかあさんのほうが面白いし、何よりご飯が美味しいの」

母 「ありがと。じゃあそろそろ、夕飯の支度しよっか」

息子 「うん!」

母 「…こんど、お母さんとたかし君も招待して仲直りのうどんパーティしようか」

息子 「わかった~僕ね、鍋焼うどんと月見うどんとざるうどんと焼うどんとかけうどんとかとかたべたい」

母 「うどんのビュッフェみたいで素敵かもね、でも伸びちゃうし…」

息子 「伸びかけのも美味しいの」

【だんだんフェードアウト】

・母  不問
・息子  ♂

役決め表
・母  不問 :
・息子  ♂ :

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