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テレビショッピング

​作者:銀狼

登場人物

あらすじ:チャンネルを変えるとちょっと気になるテレビショッピングがやっていた。不気味な雰囲気があるが、紹介している商品にはちょっと惹かれ──


女「なんか、面白いテレビないかな」

男『今夜もやって参りました!42(よんじゅうに)ショッピング!』

女「なんだろ」

男『本日ご紹介するのは…どん!食パンのような枕』

女「それ、絶対食パンでしょ」

男『どこからどう見ても食パンにしか見えませんね。いい香りがしてきそうです。ですが、これ、枕なんですよ。こう触ると…あぁ柔らかい。癖にる柔らかさです』

女「嘘くさ。枕なんてあるし、要らないわ」

男『枕なんてとか言わないでくださいよ』

女「えっ」

男『そこらの枕と一緒にしちゃ駄目ですよ。これ、柔らかさもそうですが、肌触りがこれまた凄い!!食パンみたいな肌触りかと思えば、シルクのような柔らかく滑らかなんです!しかし、素材はシルクではありません』

女「シルクって言われても、触ったことないから分かんないし」

男『シルクが分からない?仕方がありませんね。もっと分かりやすくお伝えしますね』

女「え、聞こえてんの、これ!?いや、テレビだからそんな訳ないよね…」

男『こう撫でると、逆に優しく撫でられてるような肌触りで、ふぁぁぁってなります!!抱けば、離れれなくなること間違いなし!!これを枕にして寝るの、ものすごく贅沢ですよ。色んな所で快眠出来る枕が出回ってますが、この枕は安らかに永眠出来ちゃう枕なんです!!』

女「…そんなにいい枕なの?ちょっと惹かれるかも」

男『少しでも惹かれるなら、買ってみて損はありません!』

女「なんか、返事されてるみたいで気持ち悪い」

男『こんな良い枕ありません!しかも、まるで食パンという可愛らしいデザインですよ?こんな枕中々ありませんよ!』

女「確かに、ちょっと可愛く見えてきたかも」

男『でしょ!?でしょ?!ここで!気になるのがお値段ですよね』

女「高そう」

男『42ショッピングはですね、商品をお金ではなく、お客様の大切なものを頂く代わりに商品をお渡ししております』

女「大切なもの?」

男『はい!彼氏に貰ったネックレス、旅行での思い出品などなど』

女「ほんと、変わってるテレビショッピングだね」

男『いかがですか?少しでも気になるのなら、買ってみませんか?買って損はありませんよ?』

女「んーいいかも」

男『ご注文でよろしいですか?』

女「うん。てか、まるで相手に聞こえてるみたいで気持ち悪いんだけど」

男『まるで聞こえてるみたいではなく、聞こえておりますよ。お客様』

女「え…」

男『ご注文ありがとうございます』

女「ちょっと待って!!待って!?なんでテレビから…え…」

男「よいしょっと。商品のお届けに参りました。お客様がご購入されたのは、こちらの食パンのような枕ですね」

女「あ…あ…テレビから人。テレビから人!!助けて!だれか!」

男「それでは、お客様の大切なもの頂きます…ね」

女「助けて!!誰か!!たす─」

男「食パンのような枕はいかがですか?…安らかな永遠の眠りをお楽しみください。ご購入ありがとうございました。本日の42ショッピング、商品の売り切れのため終了です。また来週、お楽しみください」


効果音:砂嵐


─END─

役決め表

・男 
・女 

・男 :
・女 :

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